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着物買取のからくりは?買取業者が儲かる理由と売った着物のその後を解説

着物買取のカラクリ

近年では着物買取の広告をよく目にするようになりましたが…

「着物を買い取っている業者はどうやって儲けているんだろう?」
「そもそも着物買取って利益が出るの?」

といった「からくり」が気になる方は多いでしょう。

自動車・腕時計・ブランドもののバッグやアクセサリーなどであれば買取後の想像はつきやすいですが、着物となると途端に「着物ってまだ需要あるの?」「誰が買うのだろう?」「どこで再販するの?」とイメージしづらいですよね。

そこでこの記事では、業者が儲かる仕組みや買い取られた後の着物の行方などを、大手買取業者での勤務経験がある筆者が分かりやすく解説します!

着物を買取に出したいと考えているものの、本当に安心して任せてよいのか不安な方は、ぜひ最後までご覧ください。

目次(タップで開く)

着物買取の「からくり」とは?着物はその後どうなる?

まずは着物買取で多くの方が気になるであろう「からくり」の核である、着物のその後をご紹介します。

買い取られた後の着物は一体どうなるか、どこで販売されるのかをチェックしましょう。

オークションで販売

買い取られた着物は業者がクリーニングで仕上げた後、さまざまな場所で販売されます。

着物の中でも特に保存状態が良く、価値が高いものであれば、オークションで再販されることが多いです。

ヤフオクといった一般消費者向けのオークションサイトや、買取業者が業者向けに開催しているオークションなどが挙げられます。

インターネットはもちろん、会場内に着物の実物を展示してオークションが開かれる場合もあります。

着物レンタルショップに販売

保存状態が極端に良いとまでは言えないものの、まだまだ充分に着用できる着物であれば、着物レンタルショップに販売されることも一般的です。

浅草・京都・奈良といった、着物での観光の需要が高いレンタルショップに向けて卸される傾向にあります。

近年ではインバウンド需要の増加により、海外から着た観光客のニーズに沿うように、多種多様なデザインやサイズの着物が求められています。

さらに、レンタルショップに卸された着物は毎日のように着用されて劣化しやすいため、常にレンタルショップからは一定の需要が見込めるのです。

中古の着物を扱う呉服店に卸す

中古の着物を買い取った場合、充分に美しさを保っている着物であれば呉服店に卸すことがあります。

中古品には着物ビギナーからのニーズが集まるので、呉服店でリサイクル品として再販されるのです。

また、「イベントやパーティーの時だけ着て行きたい」「入学式や卒業式など限られたタイミングでしか着ない」など着用頻度は少ないものの、レンタル品には抵抗があるという人からの需要も高いです。

海外市場に向けて販売

日本文化への関心の高まりにより、ここ数年では着物の海外市場からのニーズが拡大しています。

オークションをはじめ国内で事業者間で取引される着物のうち25〜30%は海外のバイヤーに買い取られると言われており、さらに着物の輸出額も増加の一途を辿っていて、海外でも着物には高い需要があることが分かります。

そのまま和装として着用されるほか、現地の民族衣装にアレンジされて着用されることも多く、着物人気が高まっていることがうかがえるでしょう。

写真館や劇団へ再販

オークションやレンタルショップほど販売する機会や枚数は多くありませんが、写真館や劇団に向けて着物を販売することもあります。

衣装として扱われ、多くの人が着用したり頻繁に着脱されるので、中古品の着物であっても高いニーズを有しています。

また、写真ソフトで加工して綺麗に見せることができ、目の前でまじまじと着物だけ凝視されることがないため、写真館や劇団では多少傷んでいても需要があるのです。

リメイクに使う

最近では20~30代の若者を中心に、着物はリメイクして楽しまれています。

ワンピースやシャツなど洋服として作り直したり、バッグ・小物入れ・傘など日用品に生まれ変わったりしており、新しい形で着物は愛されています。

海外に目を向けると、イスラム教徒の女性が使うヒジャブ(頭や身体を覆う布)やチャイナドレスなどにリメイクされ、民族衣装に取り入れられています。

なぜ着物買取専門店は儲かる?利益を出す「からくり」を解説!

着物買取専門店は、どうやって儲けているのでしょうか?なぜ利益を出せるのか、その「からくり」を解説します。

着物の販売自体で儲かる

海外市場に向けて販売したり、着物レンタルショップや呉服店などに卸したりするなど、着物を売ること自体で儲けを出しています。

特に高い売上が出るルートは業者向けのオークションでの販売で、複数のオークションに出品したり、自社でオークションを開催したりして大きく稼いでいます。

オークションには着物レンタル業者や中古品の着物販売業者などが参加して、希少性の高い着物や品質の良い着物を少しでも多く購入しようと競争します。

業者間で競り合いが起こってどんどん値段が釣り上がり、その結果高値で落札されることが多いのです。

このように着物を売却すること自体で大きく儲けられるので、業者は積極的に着物買取を行っています。

着物以外にも高級商品を買取して儲かる

多くの着物買取業者は、着物だけではなくブランドもののバッグやアクセサリー・貴金属・宝石・腕時計など、多種多様な品目を査定対象としています。

上記した高級商品は着物と比べると価値が変動しづらかったり、アイテムによっては価値が上がっていく一方だったりするので、買取業者としては喉から手が出るほど手に入れたいのです。

しかし、貴金属や宝石といった高級商品は、一般消費者にも高い価値があると分かっていて率先して手放そうとは思わないので、業者は簡単には査定する機会を得られません。

そこで着物を取っかかりにして利用客を集め、着物を査定している際に「弊社では○○や××も取り扱っていますが、もし不要でしたら一緒に売却しませんか?」と査定員が提案したり、ホームページで着物以外の買取品目を紹介したりして、業者が本当に買い取りたい高級商品を査定の場に出させるのです。

このように着物と一緒に査定した高級商品を買い取ることで、業者は利益を出しています。

もちろん査定員に勧誘されたからといって必ずしも他の品物を見せる必要はないうえに、勧誘を断ったからと言って査定員の心象が悪くなる・着物の買取価格が下がるということはないので、着物だけ売りたい場合でも遠慮なく業者に連絡しましょう。

話題になった「着物の高額買取なんてありません」は事実?

京都の帯仕立て業者が、自社のホームページやX(旧Twitter)にて「着物の高額買取なんてありません」と明言したことで大きな話題を集めました。

賛否両論が出たこの文言。本当だとしたら、大切な着物を買い取りに出そうか悩んでしまいますよね。

どういった意図が含まれているのか、投稿した理由や背景は何なのかを解説します。

また、「着物の高額買取なんてありません」に賛同している方の意見や、査定員の実情もご紹介します。

悪徳業者による押し買いへの注意喚起

発信した京都の帯仕立て業者によると、着物買取業者の中には悪徳商法の1つである「押し買い」をする業者が存在することへの注意喚起を目的としているようです。

押し買いとは査定員を名乗る者が突然自宅を訪問して「不要品を見せてください」と家に上がり込み、高級商品であるアクセサリーや腕時計、貴金属などを半ば強引に買い取ることです。

以前から押し買いによる被害は後を絶たず、多くの人に注意喚起をしたいと考えた結果、「着物の高額買取なんてありません」という非常にインパクトがある文言を打ち出したと考えられます。

確かに押し買いしてくる買取業者は悪徳である可能性が高いので注意しなければなりませんが、自ら査定を依頼する形で問い合わせた業者であれば優良であるところがほとんどです。

また、着物の保存状態が大変良かったり、有名ブランドや産地の逸品であったりすれば高価買取が期待できます。

ですので、自分でしっかりと調べた買取業者に任せるのであれば、「着物の高額買取なんてありません」という言葉に過敏になる必要はないでしょう。


予想を大きく下回る買取金額にがっかりした

「着物の高額買取なんてありません」に賛同している方の中には、実際に着物を査定に出した際に予想を大きく下回る買取金額がつけられてがっかりした経験がある方が多いようです。

「せっかく査定に出したのに値段がつかなかった」という経験をした方もいるため、着物の高額買取を疑ったり真っ向から否定したりする気持ちは想像に難くないでしょう。

一口に着物と言っても、ノーブランドで保存状態が良好と言えなければ低い買取額になったり、金額がつかなかったりする場合があるので、業者の「着物を高価買取します!」といった宣伝文句は鵜呑みにしないことをおすすめします。


着物の価値が見抜けない査定員がいる

着物の買取業者は全国にたくさんあるので、中には専門知識や査定技術が充分に培われていない査定員が紛れている可能性が捨てきれません。

そうした査定員は、保存状態が良いにもかかわらず、100万円単位で購入した高級着物に数千円~数万円の値段をつけてしまう場合があり、着物の価値を充分に見抜けていないと推測されます。

有名作家・伝統工芸品・老舗織屋などの高級ブランドの着物であれば、よほど保存状態が悪いケースや着物市場での需要が低いタイミングなど特例を除いて、買取価格が数千円になることはないでしょう。

査定員の知識や技術不足が疑われたら、その業者での買取は断り、別の信頼できる買取業者に改めて査定を依頼することをおすすめします。

着物買取のカラクリまとめ

着物買取業者は、オークション・着物レンタルショップ・呉服店・海外市場など、さまざまな場所へ着物を販売して儲けています。

また、着物の販売はもちろんのこと、着物以外にも宝石・貴金属・ブランド品などの高級商品を買取して利益を出しています。

話題になった「着物の高額買取なんてありません」という言葉は押し買いへの注意喚起ですので、自分で調査して問い合わせた業者であれば安心して査定を任せられるでしょう。

大切な着物の買取を依頼するなら、全国展開していて手数料が一切かからず、スタッフの対応が丁寧な信頼できる業者を選ぶことおすすめします。

おまけ:信頼できる買取業者の特徴

着物買取専門店の中には、上記のように押し買いや買い叩きを行う業者が少なからず紛れ込んでいます。

悪徳業者から身を守るためにも、信頼できる買取業者の特徴をご紹介します。

愛用してきた着物を安心して任せられる業者を見つけ出し、気持ちよく買い取ってもらいましょう。

全国展開かつ広告宣伝している

買取業者の中には、全国に支店や店舗を展開していて、テレビCM・インターネット・ポスティング・新聞や雑誌などで広告宣伝を行っているお店があります。

こうした業者は大手に分類され、日々たくさんの利用客から厚い信頼を得ていて儲かっているため、大量の資金が必要な全国展開や幅広い手法で宣伝を出せているのです。

大手という実績とブランドがあるからこそ、その信頼を崩さないためにも良質なサービスを提供しているので、信頼できる買取業者であると言えます。

手数料が一切かからない

大手の買取業者では、査定料・買取料・キャンセル料など各種手数料を一切無料としているところが多いです。

「自社のサービスに強い自信を持っている」「買取後の着物から高い利益率を出している」といった理由から無料としている場合が多く、利用客に負担をかけない姿勢が見て取れます。

手数料がかからない業者であれば、買取サービスを安心して利用できる信頼性の高いお店だと言えるでしょう。

スタッフの接客が親切

コールセンターや査定員など、買取業者の顔とも言える存在であるスタッフの接客態度も、そのお店が信頼できるかどうかの大きな指標となります。

利用客に安心感を与えるような親切・丁寧な接客がされていれば、信頼できる買取業者だと考えてよいでしょう。

反対に、高圧的で嫌味を言ってきたり、利用客の質問に曖昧に答えたりするようなお店は、悪徳業者である可能性があるので避けることをおすすめします。

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